今でこそ、無垢の木と自然素材を使った家は珍しくありませんが、私たちは約20年前から
無垢材や漆喰の壁など、天然素材の素晴らしさに着目していました。
エイキハウスがつくる家は、四季のある日本の気候に順応できる吸放湿性を持ち、
室内の空気を汚すことのない無垢の木と選りすぐりの天然素材を標準で使っています。
柱は檜(ひのき)、床は無垢材、壁は漆喰など、細部に至るまで徹底しています。
ここまでこだわる理由は、お客様が理想とする家づくりの最大のカギが天然素材にあると知ったからです。
近年問題になっている新築の 住居などで起こる、
倦怠感・めまい・頭痛・湿疹・のどの痛み・呼吸器疾患などの症状があらわれるシックハウス症候群。
健康面での安心、安全、建物の耐久性や機能性、そして何よりも暮らしの心地よさ。
人間も自然の一部である以上、家も自然素材だけでつくるのがいちばん良いのです。
近年当たり前のように住宅に使われている集成材、しかしこれには健康面、
耐久性などさまざまなデメリットがあることもわかっています。
そこで建材に天然無垢材を使うことのメリットや気をつけなければいけない
ポイントにはどんなものがあるのでしょうか。
「天然無垢材」とは
山や森で育った原木(丸太)から、使用する大きさに挽き割った材料。
古来より日本の建築文化に深く根付き、現存する歴史的な寺社仏閣もみな天然無垢材による木造建築です。
日本最古の木造建築物「法隆寺五重塔」など約1400年以上も立ち続けています。
天然無垢材は、こんなにも耐久性のある材料なのです。
夏は涼しく、冬は暖かく
木の断熱性はコンクリートの約12倍と言われるほどで、周囲の温度に影響されにくいのが特徴です。
夏、木に触れてもベタつくことなく、とてもさわやか。
冬は、ほんのりとした温もりを感じることができます。
木の住まいではエアコンに頼る度合いが低くなるので、からだへの負担が軽減されるとともに、省エネにも役立ちます。
湿度を調節する
天然の木は、伐採された後も呼吸を続けています。
湿気がおおくなれば水分を吸収し、乾燥すると内部の水分を水蒸気として空気中に放散する、
いわば天然のエアコンです。
奈良の正倉院は太い木材を横にして重ねていく校倉造り。1300年近くの時を経た今でも、
中の宝物を大切に守り続けているのは、木のもつ優れた調湿作用によるものです。
ダニ、カビ、細菌類に強い
木の精油には、ダニ、カビ、細菌類の増殖を抑える効果があります。
たとえば、ヒバや檜の精油成分であるヒノキチオールは、100~1000ppmの濃度でカビ類、
ブドウ球菌、大腸菌といった細菌類の増殖を抑制。
ヒバ、檜、ベイヒバ、ベイスギ、赤松などはアレルギーや喘息の原因となるダニの増殖も抑えます。
木のもつ調湿作用によって結露やカビも防止でき、空気をきれいに、快適に保つことが出来るのです。
ストレスを和らげる
森林浴をすると、リラックスして心地よくなるのは、樹木が発する芳香成分(フィトンチッド)の働きによるものです。
フィトンチッドには、人間の自律神経を安定させる作用があると言われています。
この作用は樹木が伐採され、木材となっても失われないもの。
木造の住まいなら、中にいるだけで森林浴効果が得られるのです。
地震に強い
“くるい”なく建てられた木造建築の耐震性は鉄骨造やコンクリート造を圧倒的に上回っています。
伐採後に充分に乾燥させた木は、呼吸しながらもさらに乾燥が進み、
固化して、いっそう強度を増していくのです。
樹齢年数が高いほど強度も高くなると言われています。
ここまで天然無垢材の良い所をあげてきましたが、建材として使うためには気を
つけなければいけないポイントがあります。それは、乾燥と木遣いです。
木の乾燥について
木は乾燥によって収縮、変形するもの。
良質な木でできた無垢材でも乾燥が不十分であれば、反り返り、ねじれ、割れなどを起こし、
建築後におおきなトラブルを招くことになります。
木の命を生かすのも、殺すのも乾燥次第なのです。
充分に乾燥させた無垢材を用いれば、収縮・変形が生じることはありません。
時間の経過とともに固化し、強度がますます高まっていきます。また、腐朽菌やシロアリの心配もありません。
昔の大工は、木の乾燥と収縮の関係をちゃんと心得ていました。
充分に自然乾燥させた無垢材を使い、棟上げの後もすぐには仕上げに取りかからず、
数ヶ月間は空気にさらして、しっかりと乾燥させたのです。
しかし現代では、建築にそれだけの時間をかける余裕がなく、
前もって人工的に乾燥させたものを使うようになりました。
その乾燥の度合いが大きなポイントなのです。
木の乾燥の度合いを知る手がかりは「含水率」。
この数値を指標に乾燥が充分な、本物の無垢材を追求していくことが大切です。
木遣いとは
本物の住まいづくりは、木の良さや特性を知ることから始まります。
木は種類や育った場所、周囲の環境などによって一本一本に個性が生じるものです。
一本の木でも部分によって性質が違います。
これをしっかりと見極めて、適した場所に適した材料を使うことが、
何百年も生き続ける住まいづくりの基本なのです。
木を正しく使うことを「木遣い」と言います。大工はこれを1400年以上も前から熟知していたのです。
たとえば、檜には耐久性に優れるとともに、シロアリ等の虫が嫌う成分の
ヒノキチオールを含んでいるため、土台や柱に用います。
檜風呂なども、その耐久性を活かした使い方です。美しくて艶のある木肌、独特の香りも特徴の一つです。
そして杉には、「直ぐ(直ぐなる)」からつけられたと言われるように、杉材の繊維は縦方向。
したがって、柱に向いています。耐久性があり、ねばり強いのも特徴。
しっかり乾燥させると、シロアリにも強い樹種です。
このように無垢材には住まう人にとって様々な効果・効能をもたらしますが、
無垢材を使って住宅を建てるには乾燥や木遣いについて心得た職人がいて建てられるものなのです。
エイキハウスの家づくり